双雲流 こころに残る年賀状
有名書道家 武田双雲が「筆王ZERO」のために書き下ろした年賀状デザインと、好きなイラストや自分の写真と組み合わせて使える賀詞パーツを収録。武田双雲氏ならではの目線で最近の年賀状文化に関するコラムを年末まで連載します。第5回は「もらって嬉しかった年賀状」です。
もらって嬉しかった年賀状(文:武田双雲)
さぁ、いよいよ年賀状シーズン本番がやってきました。この最初の文を見て、「あ、やばい」と思った方も、「ふふん、もうほとんど書き終わったよ」という方もいると思います。僕は以前、年賀状をもらうのも、書くのも億劫な時期がずっと続いていました。年賀状が来たら、「あぁ返さなきゃ」と思うし、特に書きたいこともないのに「友達に出さなきゃ」と無理矢理書いていました。今になって冷静に振り返ってみると、1年の最後の時期にわざわざ、嫌々年賀状を書いているのって、とってもヘンだし、もったいない。だって、法律で決まっているわけでもないのに、誰に命令されたわけでもないのに、義務感を感じて無理矢理書いているのはやっぱりヘンです。ある日、友人からある年賀状が届きました。その年賀状には「あけましておめでとう」も「賀正」もありません。ただ「♪」があるだけ。なんと彼らしいというか、じゅうぶん伝わってくるものがありました。その年賀状に出逢ったから、せっかく年賀状を書くならば、できる限り楽しもうと思ったのです。そして自分だけが楽しむだけじゃなくて、相手も楽しんでくれる年賀状にしようと。そうすると、受け取ることも、書くこともストレスがなくなりました。鼻歌を歌うように年賀状が書けることが理想です。今年は、どんな年賀状を書こうか、いまだに迷っています。楽しく迷っています。今年は、出さなければと思う人には出さない。出したいと思う人にだけ出すようにしました。自分らしくありつつ、新しい自分も盛り込みつつ。相手のことも思いやりつつ。んん難しいけど、考えるだけでワクワクします。昨年に続いて、今年も自分の抱負を相手に伝えようかなと思います。来年の抱負は、今は内緒です (笑)。
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プロフィール
書道家 武田双雲
昭和50年 熊本市生まれ。3歳から母である書家:武田双葉(そうよう)に書を叩き込まれる。
東京理科大学理工学部卒。2001年1月NTTより独立。現在は湘南を基盤に創作活動を続ける。
題字作品は、テレビ朝日「けものみち」、TBS50周年記念ドラマ「里見八犬伝」など多数。